最近の歴代の公演でシーンの一部に使用したある手法を、先週終えたシアターΧ国際舞台芸術祭の公演では本編(約30分間)全部に使用した。この手法は二度とやりたくないと思っていたが、今回、その半分の上演時間ということもあり、使用することになるかもしれない。稽古時間は短いし、本当に大変だから嫌なんだけど、やっぱり自分らの持ち味・持ち得る最大限の手法で挑まなければ審査員に失礼だと思った。
こうして、この前流した曲をひたすら垂れ流し、
つけたシーンをそれ用に調整し、より細かい部分を修正していった。
ミザンスに若干の変動があったものの、
すぐに対応してくれる男役:伊藤全記はやはり頼もしい。
女役:近原正芳も、なかなか様になっており、一安心である。
稽古の合間に、女の衣装について、少しばかり話をした。
建設的なアイディアがぽろっと出てきたかもしれぬ。儲け儲け。
その後、残り5分くらいであったが、
新たな登場人物の第一声辺りまで終えることが出来た。
その人物とは、見知らぬ婦人:中山茉莉である。
歴代ヒロインに抜擢してきた彼女だが、
今回はあえて外し、近原正芳をヒロインに起用。
これは、彼にしか出来ない・彼にこそやってほしい役なのだ。
さて、そんな婦人が登場し、近原扮する女が尋ねる台詞。これがやや難しい。
新たな登場人物に初めてかける言葉。さすがに苦戦していた。
おそらく私からのOKは出ていないはずだ。
緊張や恐れがある。しかし、ある程度の勇気を出して、恐る恐る尋ねる。
近原には、この繊細なニュアンスを是非ともモノにしてほしい。
婦人の登場に関しては、さすが中山、と言ったところだ。ある程度なら何もしなくても良く見えてしまう。
だが俺には分かる。もっと行ける。たぶん、微妙に集中出来てない。
なんていうか段取りくさい。絵的には綺麗なんだけども。
ということで、中山は現れてただ立っているだけでも、その空気をもっと大切にしてほしい。
さて、コロスの吉田朋玄と遠藤忍は……前回の公演から恒例となったコロス会議なるものを稽古前にやっていたようである。この作品では初めての会合だったようだ。
稽古場でも廊下で話し合いなどをしていたようだが、前回、吉田は欠席していたため、廊下の彼を呼び出し、少しばかり出来ているシーンを見てもらった。その流れで、コロス二人に初めて指示を出す。せっかく稽古場に来てるのだ。話し合いも大事だが、動いてもらって、じかに身体で感じて欲しいと思ったのだ。
指示① 【 美しいゆったりとしたクラシックの調べの流れる中、歩きなさい 】
吉田はなかなか様になっていた。
遠藤は猫背で頼りなく、少なくとも、彼が意識していたキャラクター設定?になり切れていなかった。要は軍隊風。
指示② 【 Sir, yes sir !! と発しなさい 】
これは結局、してなかったと思う。まあ、相当難しいはずだ。ただ声色変えて言っても仕方ない。しかし、クラシックの調べの中で様になるように言えてこそ、コロスとしての稽古が始まるのだ。
どうなるか分からないが、とにかく、愉しみである。
P.S.
コロスの方々、なぜ一々、二回も“sir”って言うか知ってるかな?
これは、上演台本の君らの台詞の語尾とほぼ同義であると私は考えています。
by 演劇死神
ついに私も立ち稽古……ラスト5分だけ。
今日は伊藤&近原ペアにコロスも追加。
コロスは試運転な雰囲気。
演出の要求するコロス像を探るべく蠢いていました。
そんな一幕。
……嘘です。
…………ノリです。
全、良い顔してます。
by 中山
「ふぅっ、なんて暑さだ、やりきれない!」
今日は、そんな台本冒頭にある台詞のような稽古場ではなかった。
そんな空間にクラシック1曲を延々とループさせ、台本に記述しておいた舞台設定を実際に想定しながら立ち始めた。立ち稽古、になるんだろうが、稽古というわりには少しばかりぬるかったと思う。まあ、様子を見ながらやっていきたかったのだ。今日は、約五行ほどの台詞とそこまでの動きをつけ終えた。
一枚目はト書きが多いから、実はそれだけで半分くらい進んだことになる。