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これは、劇団ING進行形の怒涛の稽古記録である。
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曲名:利賀の風になって


曲:バックの音はyoutubeにあった放映版アレンジを使用。
歌:未調教の某ロボット? 最後は究極に音痴w

wmaファイル(超低音質)

以下、歌詞

利賀のリフトの前で泣かないでください。
そこに私はいません。眠ってなんかいません。

利賀の風に、利賀の風になって、
あの大きなゲレンデを吹き渡っています。

コロスは光になって斜面をヘッドスライディング。
そしてダイヤのようにきらめく泥になる。

朝はオロロになってあなたを目覚めさせる。
夜は蛾になってあなたを見守る。

(以下略)

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08月21日(日)
少々の変動があった。客席を20ほど増設。60人くらいにしておくように、とのこと。また、ゲネプロの時間は当初20時予定だったが、こちらから21時に申請し直した。リハ後に照明を調整するくらいなら、ギリギリまで先に調整しておきたいわけだ。ゲネ終わってからの残り時間での作業は中途半端になる恐れがある。

、8時くらいの出来事。数人が髪を必死で立たせています。近原は人の髪いじりが好きなのか、色々とお手伝い(笑
彼らの役どころについては前日の日記を観ていただければお分かりですが、コロス♂という名のいかついキューピーw
えー、がーまるちょば並みのモヒカンが良かったのですが、一般生活に戻れぬ恐れがあったため、折り合いをつけ、ソフトモヒカンに。ベッカムの写真を持って美容室へ行ったようです。
ということで必然的に、この日の、8時半からの朝食タイムには、数匹のソフモヒ野郎が発生してたはず。
そして、9時半から、しっかり活動開始。
都内で普段生活しているときよりも、なんて健康で文化的な最低限度の生活(by 生存権)なんでしょう。
全様(伊藤)に関しては、去年の利賀公演以来、本番前でもしっかりご飯を食べられるようになりました。
それまでは本番前になると、ろくに飯を食えなかったようで。利賀での生活は体質改善にもなったのです。
 
さて、早速、数人で、前日約束したイントレの向き変えを実行。
ついでにイントレの下段に設置した機械の起動実験も行いました。まあ、端的に言いますと、ただの2台のサーキュレーターを動かしてみただけですw
それに乗って、あれこれチェックするオニガシラw
エヴァンゲリオンのアスカの登場シーンの再現ではありません。まあ、パンチラですけど。
ちなみに、一応言っておきますが、この写真はちゃんとズボン履いてます、あしからずw

起動実験中の写真が09時55分36秒。この間にも、この後にも、手の空いてる者たちで、小道具となるかならないかまだ不明な草集め。ゴミ袋片手に雑草をカッターやハサミや手で刈り取っています。満遍なく色々な場所で。
一方、スタッフも各自活動しております。
音響さんは、スピーカーや配線のチェックに余念ありません。(左写真)


そして、舞台監督さんは、
よりよいパンチラの実現という超目標に向かって真剣そのものですw(左写真)
 
その間にも、草集めは継続中。
あちらこちらで。(下2枚写真)
どちらも10時10分くらいの写真です →

さて、私は、途中で、草集めてた吉田を拉致し、そそくさと工作を始めました。長い黒い布が我が家にあったのでそれをうまーく切って、安全ピンで留め、小道具を載せる台をすっぽり覆いました。といっても、客席から見える2面だけw だって足りなかったんだもん。布いびつだったし。さて、載せる小道具とは……。それは劇中で、電話をかける・かけないの話が出てきて、最終的に登場人物の一人が電話かけに去っていくくだりがある。広大なゲレンデのどこに隠れることなど出来るわけもなく、ならその電話を象徴的に見せちまえ、との判断で、電話を設置することにしたのである。当初、プランでは、室内を想定して黒電話だった。しかし野外となった今、公衆電話を放置したほうが面白いだろう、という妙な美的感覚に従い、10円玉しか受け付けないピンクの公衆電話を調達していたのだ。それを見た舞台監督が一言。あっ、黒電話なら僕が前に芝居で使ったじゃん。……コスト削減できたのかって思ったけど、闇夜に黒電話じゃ消えちゃうもんって自分を誤魔化すことにしたw 黒電話のが公衆電話より高かったから、購入するなら、ねぇ……。
配置はスピーカーの横。スピーカーも隠しようないし、ぽつんと置いてあるなら、そいつと併設することでオブジェ化しようと思った。土台の黒布が不恰好に見えるけど、夜になるといい感じで溶け込んだので良しとした。

作業中の誰かの靴に止まった、不思議な色をしたセミ。私も池の岩のとこでも同じ色したやつを発見したよ。
ある程度溜まったみたいで、とりあえず草集めは切り上げることに。使わなくなったら無駄になるわけだし。
この時、10時58分51秒。随分長い時間、この作業してたわけだ。みんなお疲れ!
雨が頻繁にぱらつき、炎天下にならない分、体力はそれほど削られず、炎天下対策の昼寝時間を作らずに済んだのは助かった。雨だし、涼しいしで、オロロ(吸血アブ)の出現もないし、本当に運が良かったよ。

さて、宿舎での作業に移る直前の、残念な全様(伊藤)を晒しておこう。

彼はかつて技術家庭科でやったような作業をしていた。いわゆる電気コード製作ね。しかし彼はやっちまった! いや、なっちまった! バル○ン星人に!
いや、バ○タン成人だなwww ……お分かりいただけただろうか?
説明するまでもないと思うが、T型から平行への変換を作ろうとして、コネクター♂をどちらにも取り付けてしまったのであーるwww 無念、全様!

宿舎に入って、草の選定作業を始めた。そして、長すぎず、短すぎずな状態に切っていく。これはやがて、乾かして、枕(サンドバックにもなる)に詰めていくことになる。ゲネで試していまいちなら、中身は新聞紙を刻んだものや、大量のネクタイ(チャーリーというキーとなる男の)を詰めてみることになっている。個人的には抽象化しておきたいから草のほうが良かった。ネクタイになると、ホラーなんだけど、やっぱり具体化しすぎて、好みでなかった。まあ、そればっかりはやってみなければ分からない。
しばして、舞台監督による折り紙教室。
おじいさんは山へ芝刈りに、おばあさんは川へ洗濯に……ってな具合で、男は草、女は紙の作業に割り振った。
折り紙教室っつーのは、A4のプリンター用紙をうまーく折って、お手紙のように見せたかったわけである。これは主人公の友人であるリーナが最後のほうでぶちまける大量のお手紙。これを活かすためにも、他のぶちまける中身は抽象物のほうがいい気がしていたのだ。結果は後ほど。
にしても結構な御手前ですこと。お手紙に見えるじゃあーりませんか!
一方、右の写真。
さっきのバルタ○星人は、
元の姿に戻るべく、
助っ人の手を借りることに。
まあ、本業が照明の人だし、
彼女に任せたほうが速いわな^^;
お疲れ……ToT
 
さて、12時半頃のことです。憐れな子羊4匹が部屋の隅に集っています。
原因はもちろん、わ・た・し♪ 原因って、原田って字に見えるかな?
 
ええと、まず、例のガイシャ(被害者)のmixiの文章をお愉しみください。
以下、役者としてはうちの劇団でしか活動しない
助っ人キャラ(文筆家志望の男)の文章。
 
【引用開始】
※この日記には、一部誇張・暴言が含まれていますが、全て事実を元に作成されたものです※

前回の日記で引用制限した続きをどうぞ~www

でも、それだけじゃ終わらないw
ある程度、格好よくスライディングが決められるようになってきたところに、
演出さんってばまた一言。



「コロス、歌おう」



都会の劇場では成しえない反響設備……つまりは、山彦を利用しようって話が出まして。
なるほどねー、コロスはコーラスの別の読み方って言うし。
本来はそっちのほうが本業だもんねー。

いや、だからさ? もう体じゅう筋肉痛で死にそうだっつーの。

けどやっぱり演出には逆らえないのが役者の宿命か。
脳筋ライフに加えて、
休憩中にコロスたち四人で合唱の練習という、なんとも不思議な生活が始まりました。
しかもそれが本番前日。無茶言ってくれるよww

けど、その甲斐あってか、本番はかなり笑いが取れましたww
クソ暗い台本なのにw

台本そのものの暗さはどこへ行ったって言われるとちょっと苦しいんだけど、
コロスがバカみたいに走って踊って歌ってってやった分だけ、
土塗れになって薄汚れたメインキャストたちの惨めさというかが引き立ったような気がしたので、
その辺は結果オーライです。

暗い台本だから暗くやらなきゃいけない

なんてルールは無いw

もうね、彼、狂ってますね。利賀から戻って発狂してなきゃいいんですが……
いや、むしろ利賀で発狂して、都内で正常に戻ったということでしょうか……とりあえずここまで!
【引用終了】
 

山彦を利用しようってのは別の部分であって、歌わせる理由ではありません。単に、バーサとゴールディの板ばさみ状態にあるコロス♂がこれまでやんちゃしてたのに、突然声を出さずに腰を振ってたり、必死にあれこれ気を引こうとするのはおかしいと、前々から思っていたのです。私にとっては、それなりに仕上がってきたコロスへのご褒美。まあ、彼らにとってはただの嫌がらせに思えたことでしょうwww
なぜ彼らが部屋の隅に集まっているかと言いますと、別にいじけたわけではありません。
とりあえず歌詞を書き出せ、と私が命じたからです(笑

大丈夫。手紙を作る&草を乾かす仕事は女性陣がやってくれてる。君達はコロスとして、コロスの仕事をしたまえ。本番に間に合えばいい。無論、良質のものが。本日のフタヒトマルマル(21:00)からのゲネプロは多少悪くても構わない。ただし、あまりに酷いと怒ると思います。
 
そう言っておきました。彼らなら、言われずとも分かっていたはずです。絶対に。
やらないという選択肢はない。その裏コードを選んでも私をただ不機嫌にするだけで、結局はやることに。
ゲームでもあるでしょう? 選択肢から一つ選んでも、不適切な場合、ずっとループするでしょう?
厳しい場合はゲーム・オーバーでしょうか? それと同じです。単純でいいでしょ?(苦笑

昼食までの30分が彼らにとって長かったか・短かったか、それは謎ですが、私は既に腹が減ってました。
意外と皆さん、腹減ってました。弁当少なめだったのか、ノンストップで作業してるからなのか、謎でした。
食後の作業再開はやはり14時頃だったようで。左の写真を撮った時刻は14時03分37秒でした。食休みを兼ねて、コロス♂らも手紙作りをしているようです。でも音楽をひたすら流していたと思います。そして、右の写真の時刻を見ると14時42分17秒。エライエライ・エロイエロイw

← ほい
左2つは
15時38分
 
んで →
右写真は
16時05分

この後の動きであるが、事前提出したタイムテーブルによれば、17時から30分の汗引きタイム。その後2時間ほどゲネのためのメイク時間。んで30分の準備時間後、20時からゲネプロである。
ゲネ開始時刻を1時間後にずらしたが、メイクとかはどれくらいかかるか把握できてないし、練習を兼ねて多ければ多いほどいいだろうとの判断で、タイムテーブル通りの動きにした気がする。
なぜ語りが不安げなのかと申しますと、次の写真の時刻が19時33分59秒と、結構飛んでるんでござい。
……記憶定かでないんだけど、俺、普段やらない(やれない)ことやってるんよね。
中山嬢に鬼頭嬢ついてるし、前日試したしってことで隣の部屋(ドアなしで繋がってる)で寝てたと思う。
……ごめんなさい。でもなんか眩暈してたんよねぇ。みんなのが疲れてるだろうから申し訳なかったんだけど、ゲネで俺が機能しないほうが大問題だろうと思って、緊急判断しますたwww ごめんちゃいorz
んで、ゲネでは何してたかって申しますと、全様(伊藤)に託されたデジカメでパシャパシャ、現地スタッフの記録係さんとともに撮影しとりましたwww ビデオカメラを俺が持っていれば、途中からしか撮れてないというミスは回避できたはずorz まあ本番も、ビデオは(手ぶれつきだが)回せてセーフってところです。

メイク自体は順調にタイムテーブル通りに終え、ちょうどその頃には私も復活しておりました。

外へ出て、役者はメイク完了した顔で、ぬかるみやらミザンス確認。スタッフもあれこれ確認。皆、ゲネ前の準備に余念がありません。そうそう、役者は衣装着てません。リハーサルまで時間があります。一部を除いて、ほとんどの者が寒々しい格好をするので、風邪引いちゃいますもん。ええ、外はかなり涼しいのです。


雨もぱらついて……



え~、1枚だけおかしな写真が紛れ込んでますな。
音響さんがかけるサウンドチェック中の音楽たちがあまりにグッドな選曲で、それに合わせて中山嬢がケツをぷりぷりさせとるではありませんか。さらに言うなら、その近くで鬼頭嬢がずっこんばっこん?腰振ってる(コロスのやる下ネタダンス)ではあーりませんかw お・ま・え・らぁ~~~www
確かに、音響さんの流す音楽のセンスは最高で、必ずと言っていいほど私は気になり、しばしば曲名やらアーティスト名やらを尋ねます。カーテンコールの音楽も音響さんのおかげだったのです。
(まあ、カーテンコールに関しては反省点がありまして、それは後ほど……)
 
さて、気が済んだ後、一度宿舎に戻ります。
刻々と、現地スタッフ立ち会いの、ゲネプロ時刻がやってきています。
皆、露出の多い、なかなか過激な衣装を着たり、今回初登場の銀髪ウィッグをつけたりと大忙し!
左は客席に居る役者、右はブースに居るスタッフ。2つの写真は、20時51分のものです。21時開始なので、ほんと直前ですね。よく撮影してたなぁと思いますよ。
 
以降の記録写真は携帯にありません。
良質のリハーサルだったと思います。

ゲネで撮影した写真は、全様(伊藤)のデジカメにあるので、後ほど公開しようと考えております。

現地スタッフさんが、六本木の金魚のようって発言したが、私には意味が分からず。しかし中山嬢がなぜかその存在を知っていて、そこではそれ系統の、とっても有名なショーをやっているんですね。当然、今回の作品には、コンセプトにそういうのをちらりと含めていたので、とても嬉しいコメントでした。まあ、審査員のコメントではないんですが、それでもやっぱ観てもらって何か言ってもらえるのって励みになります。
 
以上、この日の回顧録でした。

続きはまた、別の記事で。

 
08月20日(土)
コンクール規則により、この日から仕込み2日間、その翌日が本番となる。去年は、今は別の施設へと生まれ変わった利賀スタジオという室内空間だったので、いつでも本番と同じ状態にすることが可能だったので、本番日にゲネプロをやっていたが、今回はそうもいかない。それもそのはず。野外だからだ。本番と同じ状態でのリハーサルも練習も、夜しか出来ない。照明の仕込みは日が落ちてからが勝負。24時には完全撤退なので、時間はかなり有限だ。音響の場合は逆に22時以降はPA禁止。よって単純に考えれば、日没から22時までがまともな本番状態。といっても、それに天気が左右するので、必ず誤差は出る。さらに言えば、昼は昼で、日差しが強い中、作業すれば、体力は奪われていくし、オロロというこの地域独特の吸血アブが大量に飛び交う。我々が訪れた頃には、利賀はだいぶ涼しくて、蠅もどきの憎き奴(サルトルの蠅をオロロに見立てて上演してやりたいぜ・このヤロー)はそれほど気にならなかった。天気も曇りだったり雨がぱらついたりだったし。そういう意味では運がよかった。夜は蛾が凄い。何種類いるのだろう。サイズも色も違ったわい。

では、写真つきでこの日を振り返っていこうと思う。

8時半から食堂で飯を食べ、劇場利用は9時半から。
左の写真は7時すぎ。宿舎前をお散歩。対策を立てようとする有志4人。
この4人がこれから、地の利を活かすべく悪戦苦闘することになりんす。
おっと、地の利でなく、地の不利でしょうか。
不利を利に変えようとする鬼演出。
なんという理不尽な錬金術?
ちなみにこの建物は、リフトの根元?(リフト機構)です。

稽古場が狭かったので(実寸でとれるわけない)彼らにはアバウトに想定した部分が多々ありました。むしろ始まりの地すら本当にそこなのか定かではありませんでした。結果的には想定通りの場所からスタート出来ましたが、安心することは出来ませんでした。問題は、この直後の動きにあったのですから(笑
じゃん! えー、左の写真は、別に彼らが、面倒くさくなって寝転がってるわけでも、気持ちよくなって寝転がってるわけでもありません。ちなみに先ほどの、左上の写真からは15分が経過しています。小さい写真だから分からないかもしれませんが、ほとんどの者が装備していたはずの雨合羽を失っておりますwww
次に、右上の写真をご覧ください。背景が若干違ってるのが分かりますか? 左上の写真の右から2番目の人物の奥にある道と、右上の写真の右端の人物の奥にある道が一致します。彼らは移動してます!w
雨合羽を失った理由は、彼らの移動にあります。当事者に語ってもらったほうが分かりやすいと思うので、ちょうどmixiで発見した文章を転載しておきましょうw
以下、役者としてはうちの劇団でしか活動しない助っ人キャラ(文筆家志望の男)の文章。

【引用開始】
※この日記には、一部誇張・暴言が含まれていますが、全て事実を元に作成されたものです※

今年もまた、先週末から富山の山奥に引き篭もっていました(笑)
なんでこんな辺鄙なところで世界的な演劇の祭典があるのか、甚だ疑問です。
けど、わざわざ富山の空港から来るんですよねぇ、異人さんたちが。
こんな山と空と吸血アブと巨大蛾くらいしか無いようなところに。不思議でなりませんよ。

そんな場所で行われる、「利賀演劇人コンクール」
今年は、テネシー=ウィリアムズ作『バーサよりよろしく』で出品。

何ていうか、もぅクソ暗い作品。読んでるだけで鬱になってきそう。
去年のチエホフは、まだシニカルな笑いがあったけど、今回はそれすら無し。
こんな山奥でなんでこんな鬱な話をせにゃならんのか、本気で悩みます。

しかし、その台本の暗さとは反比例するかのように、上演会場の開放感たるやありませんでした。
恐らく日本中探してもこれより広い会場は無いんじゃないかっていうくらいの広さ。半端無いです。



会場……山の斜面。



ザけんなコラー。
正確には、リフトシアターとかいう名称の、元はスキー場だったところを丸々演劇スペースとして使用するという、野外劇場と呼ぶことさえ憚られそうな丸投げ感満載の場所で、ひたすら内に篭りまくるような芝居をやるというギャップ。泣けてくるわ。

で、その広さの中で、ただフツーの演劇やるってのも余りにもバカバカしいので、
演出さんってば言いやがりました。

「うん、コロスたち斜面走ろう」

無茶言ってくれますw
ちなみにコロスというのは、ギリシャ古典におけるダンサーや群集、モブみたいなモン(なんててきとーなw)で、今回のアタシのポジションは、そこ。役どころとしては、バーサの心情を代弁する幻覚、みたいなポジションです。なんせバーサってば、精神的にもうキちゃってますからね。そういうのが見えちゃってもおかしくないでしょうってなコトで。

ってぇ、おいおいインドア派のアタシにスキー場の斜面走れってか。
でも、演出には逆らえないのが役者の悲しいところ。

今回参戦するコロスたち四名、スキー場の斜面をこれでもかってくらい走りました(笑)

遠距離から一気にダッシュしてきて、メインキャストのいるところで急ブレーキ、そしてポージングというプラン。筋肉酷使です。

けどそこで問題発生。



車は急に止まれない。コロスも急に止まれない。
斜面の下りとあればなおさら。無理矢理止まろうとしたら、勢いあまって見事にスッ転ぶ始末。
何度か繰り返して、やっぱり無理じゃないかって結論に行き着くんじゃないかと思っていたら。



「コロス、滑ろう」



もはや止まろうと思うな、という結論に到着。
あー、そうだよね。ここ元スキー場ですもんねー。滑るにはもってこいだよねー。
結果、高校球児もかくやというスライディングの練習が始まり、稽古初日からコロスたちの稽古着は見るも無残な泥まみれになりましたとさ。
(そーいや、僕ら利賀行ってる間に、日大三高が甲子園圧勝で優勝したんだってねーw)
多分、生まれて初めて泥の地面に向かってヘッドスライディングかましたよ、アタシ。



『走る、滑る、見事に転ぶ♪』
な、筋○マンもかくやという生活を繰り返し、ようやくスライディングがサマになってきたころには、もう何ていうか、脳筋な生活スタイルになってました。

つまり、

起きる→朝飯→走る、滑る、転ぶ、泥まみれ→
昼飯→着替えてまた走る、滑る、転ぶ、また泥まみれ→稽古終了→
夕食→洗濯、風呂→寝る→
起きる→朝飯→乾いた稽古着着てまた走る、滑る、転ぶ、泥まみれ→……

飯食って走って汚れて寝る、の繰り返し。
アタシ何やってんだろうって本気で悩んだ瞬間ww

でも、それだけじゃ終わらないw
ある程度、格好よくスライディングが決められるようになってきたところに、
演出さんってばまた一言。

おっと危ない。これ以上はまだ先の話。ということで……はい!
【引用終了】

まあ、こんな長々引用しましたが、つまり、雨合羽破けた、ということですwww

8時半から創造交流館の食堂で朝飯を食べ始め、
9時半には宿舎前というか劇場前に集合し、現地スタッフさんの説明を受け、仕込みスタート!
うん、そうね、利点といえば、宿舎と劇場が近いってところかな。これだけは実に便利だった。なんとなく。

この日の予定も慌ただしい。観劇必須なので、時間が強制的にかなり削られる。焦らずにいられない。
しかしなかなか危険な作業。慎重にやらねば。都内じゃ、小さな劇場じゃ、絶対にやらないような作業。
なんとしても15時の観劇に合わせ、その30分前には作業中断せねばならない。しかしその劇も満席で、私のみの観劇となったので、観劇不可能なのは残念であるが、少々気が楽になったのは確かである。
ぬかるみがあまりに酷く、アクティングエリアの条件を少しでもマシにするため、草の剥げてない部分を選択。全体の景色と構図を意識しながら客席の方向を決め、その近くにブースを設置すべく、作業開始!
左は、舞台監督さんと働きアリたち。
右は、イントレを3段にしているところ。
イントレを2基作った後はテント(左の写真)。
テント作業はイントレ作業より面倒臭かった。
途中、でっかいカエルが跳ねていて、中山嬢が追っていったなぁ。
右は仮設電源盤?を移動してるところ。元々、調光するための物などあるわけない。だって元スキー場。現地スタッフさんが、ふもとにある宿舎近くの電柱から長いケーブルで、リフト機構のある建物(神殿と呼んでいたらメンバー内にも定着w)まで電気を引っ張ってくれていた。つまりその範囲で動かせたのである。

円陣して説明を聞き、アクティングエリアを決めて、イントレを動かし始めた写真が9時49分50秒。
仮設電源盤の移動写真が11時01分47秒。大掛かりな仕込みはとりあえず大分片付いた。
こうして、
照明・音響・小道具・演技確認といった、個々の分野の作業へと流れていった。
右はいつもうちでやってくれる頼もしい音響さんと、急遽助っ人となった渡辺美帆子事務所の照明担当さんの作業風景。
二人とも実に働き者だった!

作業はまだまだ終わらない。

客席となる床板を設置。実際にアクティングエリアがどの辺であるか、より明確になった。ちなみに、30~40席あればいいとのことで、思ったより少ないなぁと寂しかったのだが……結局、色々ありまして……。
まあ、それは後ほど、ね?

舞台のほうの作業では、イントレを池に設置。これは、劇中で一瞬登場する謎キャラだが、最後のほうで一言だけ名前を呼ぶ科白のある重要人物のためのもの。これが例の、モンロー演出の土台である。
下見のときには干からびていたはずの数ヶ所の池が雨によって復活しており、それらが繋がって川となっていた。一時期、ほぼ動かない芝居をその池でやろうとしていた。本当に危なかったぜ。石は雨で滑るし、水の流れで声が聞こえにくいんじゃまずいもの。とにかく、セーフ&ラッキー。
コロス♂4人と、バーサ肉体(近原)と、バーサ精神体(中山)で、それとなく、あるシーンのミザンスに居てもらう。たぶん、空間チェックをしてたんだと思う。
客席や舞台の角度やセンターラインなど。
その間に音響さんはスピーカーを設置し、養生をしていた。雨や夜露から機材を守るための処理である。(右写真)

一番左は中山がバッタを嬉しそうに手に乗せているところ。そのバッタに口を近づける謎の女。彼女は、私が演出助手として、団員は皆で客演した劇団に居た女優。世界のスズキには、オニガシラと呼ばれているようであるw まあ、鬼頭という名字だからね。にしても、これはキス顔というやつじゃねえか?と思うんだが、お宝にしよう。高画質版は俺だけの物w
ちなみに上にある、キス顔の右隣の写真は真剣な音響さんの作業写真であるが、実はほぼ同時刻www

さて、13時くらいからは昼食! 朝以外は車で本部まで弁当を取りに行くシステム。去年より弁当の豪勢さや量が軽減されたのは気のせいであろうか……。ここにも助成の事情が……なーんちって。
とにかく支給されているのだ! 三食!
文句言うまい……ってか書いちったかw
写真は、働き者の至福?のひととき。

食べ終えて、まったりしながらも各自活動再開。

やるときゃやります・オニガシラ! キス顔だけじゃありません。一瞬の、たったワンシーンだが、重要なんです。それを彼女はしっかり分かっていて、念入りにチェック。すると彼女は言いました、イントレの向き、変えられないかな? ……確かに。跨ぎにくいのもあったんだけど、風量が半減してしまうような隙間の向き。さすがです。翌日の修正を約束しました。

一方、ブースでは舞台監督さんが設備を見ています。
照明をイメージしながらプランを考えてるのでしょうか。
そう、彼は照明も担当するのです。
アバウトには話し合っていましたが、よりよいプランを練っているはず。
オプションが出来るか、など含め……。


しばしして、メインエリアを頻繁に使う役者6人がなにやら集っていました。
一方、音響さんはマイクを準備しています。ええ、がなりです。リハなどで役者へ指示出しするのに使います。私はあまり使いません。生声です。でもたまに使います。格好いいからwww

でもぼそぼそ駄目出ししてると、こっちの熱量が伝わらない気がして嫌なんですよね。まあ、指示が的確に伝わればいいんだから、熱量なんて無意味だったりするのかもしれませんがね(苦笑

音響さんのがなり準備写真が14時25分36秒。以降は21時01分15秒まで写真がありません。
そうか、お別れが近付いていたんだ。15時から観劇があったんだ。満席により、代表者だけの……。
といっても、会員だったりして結局、私含め3人が観劇可能となったわけだが……。

観劇4 15時 別冊 谷崎潤一郎 @創造交流館
ごめん。言い表せない。ただ、これまで観た鈴木作品とは全く違っていた。なんだろう、あの空気感。もちろん空間や道具の雰囲気のせいもあるだろう。ただ、演者の佇まい・居かたが恐ろしく洗練というかなんというか。それでいて、アングラとは違うんだけど、うーん。ごめん。駄目だ。俺にゃ言い表せない。一つ言えるのは、演劇ってすげぇなぁってこと。観阿弥・世阿弥の本を最近読みふけっていた俺からすりゃ、これこそムードってやつよ……。役者たるもの、ああいう歳の取り方出来たらいいねぇ……。味のある……。
 
観劇後、外へ出て本部へ向かうと、メンバーは既に集まっていた。
確か、試しに通してみたって報告を受けた気がする。素晴らしい。嬉しい誤算。
さて、次は皆での観劇。実はこの作品がお目当てだった。私はギリシャ悲劇が好物なのだ!!!

観劇5 17時 エレクトラ @新利賀山房
もうね、もの凄く期待してたんだけど、さらにその上を行っちまったよ・おっかさぁーーーん、って感じ。
コロスやばい。車椅子捌きやばい。超絶技巧としか言いようがない。手足と化すってまさにこのこと。生音は、楽器もそりゃ新国立劇場で去年観た坊さんの演目の演奏者で申し分ないんだけど、それよりなにより、コロスの足音(床を踏み鳴らす音)の凄さと言ったら……。もうさ、楽器いらないでしょ、正直。俺、息するのいつもより遅かったと思う。呼吸していいか戸惑うっていうのを通り越して、本当に、呼吸を忘れちゃうって感じだったと思う。前に下見の時に観た、舞台中央に敷かれた円状の帆の骸骨・亡霊的な絵柄は見えなかったけど、それでも、その円の周りを超高速で車椅子に乗った数人のコロスがぐるぐる回れば、まるで何か召喚しそうな感じ。まさに儀式・呪術的な舞台。自分が常日頃、理想としてる舞台の在り方であった。車椅子の上に立って微動だにしない演者たちも凄いし。下手奥に斜め一列に車椅子のコロス達が並んだ瞬間はドキッとした。というのも、今回発表した作品と全く同じ構図だったからだ。違うのは、コロスの身体レベル……(涙 お前らまだまだだな、鍛錬が足りん、帰れ!って言われてるような気がして、なんともいたたまれない気持ちに……。あと、主演女優の、研ぎ澄まされた体捌きと精神コントロール(コンセントレーション)には恐れ入る。中山嬢も王女メディア演じた者として、いや、女優として参考になったはず。嗚呼、観れてよかった。あの空間に存在出来てよかった。台本欲しい。稽古観たい。無理だけど。勝手に想像するよ・こんちくしょーーー。想像すらつかないよ・こんちくしょーーー。いい作品観ると自分らもやりたくなるんだけど、凄い作品過ぎてそんな気起きない。どうだろう? これでも言い足りないんだけど、凄さ伝わりましたかね? とにかく、完敗だし、乾杯!!! これ一作品でも利賀に行く価値あり。必見です。
 
観劇後は夕食。本部で弁当を受け取り、宿舎で食し、次の観劇まで中途半端な時間だったのでまったり。

観劇6 19時半 世界の果てからこんにちわ @野外劇場
噂通りの花火劇。花火のために作ったと言うだけある。というか、前日のシラノの花火が、去年観たシラノより量が少なかった理由はこのためだったのだろう。登場人物も豪華だった。観たことある扮装のキャラクターが勢ぞろい。ディオニュソスの神官?やら紅白女?やら。内容はなかなかエグイ。面白いけど、今のご時世、特にエグイ。しかしこの作品、結構前に創作され、上演されていると言う。恐れ入る。にしても、献立やら栄養やら愚痴やら、普通のなんてことない言葉が、あの独特な言い廻しにすると面白くなるのはなぜだろう。あれは本当に発明としか言いようがない。そうそう、この作品の出てくる車椅子の男達の中に、知り合って1年くらいになる俳優さんが居た。彼は、利賀で発表した去年の作品の再演を渋谷で偶然観てから、我々のファンになったようで、いつか我々の芝居に出演したいと熱烈希望する俳優さんである。初めて訪れる利賀に数週間籠もって、一生懸命訓練をし、彼が舞台に無事出演出来たのは嬉しい限り。車椅子捌きはそりゃ、その前に観たエレクトラにゃ負けるけども……。(むしろ比較したら可哀想だw)
 
終演後、市長さんが鏡割りをした、いわゆる振る舞い酒は戴かず、足早にその場を去った。
我々は焦っていた。翌日はゲネプロ。ということは今日がリハ前の最初にして最後の夜。
音出しは22時まで! 演出立ち会いのサウンド・チェックをする時間は残り僅かなのだ。

到着し、照明点灯。
おお、神殿がいい感じ♪なんて想いにふける余裕はこの時にはあるはずもなく、
ブースではスタッフが慌ただしく準備中。
こうしてなんとか、音の出る4ヶ所の前後のシーンを抜くことに成功し、タイム・リミットの少し前に音出し練習は終えた。

とはいえ、まだ時間はある。活動終了規定時刻は24時! 音楽以外のシーンを初めから、スクラッチ入れながら通す。といっても、入れすぎると最後まで通せないから加減した。途中からは駄目出しスイッチを切った。アバウトにでも、全体をチェックしておいたほうが良いだろうと判断した。その間に、舞台監督さんは照明へと転身し、あれこれ調整してくれていた。
右の写真が23時36分30秒。
ちゃんと24時までに終えたぜ!

さて、その後、宿舎では、数人にツラ貸してもらい、生け贄になってもらい、メイクを試行錯誤。中山嬢に任せ、途中、鬼頭嬢にアドバイザーを頼み、私はクレーマーwww メイク用品は購入してあり、後はイメージに合うように作っていく。鬼頭嬢は濃い系の、大胆なメイクが得意と見て正解。


まあ、こんな感じで夜も更けていき、
就寝となったわけですzzz

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2004年に旗揚げし、いつしか目標になっていた演劇の聖地<TOGA>
そこでのコンクールに初参加したのは去年のこと。あれからまだ1年しか経っていないとは……。

去年はチェーホフの短編「コーラス・ガール」
利賀での発表を終え、翌週には渋谷で再演。さらにその1ヶ月後、再々演をしている。
しかし劇団の本公演としては終わりを迎えるも、年をまたいで劇団員を3ヶ所に派遣している。
今年は、やはり念願であったタイニイアリスという劇場での新設フェスティバルに参加することが出来た。初の飛び飛びロングランであった。この公演中、実のところ、利賀へのエントリーは全く考えてなかった。

コンクールは、課題戯曲として提示された4作品中、1つを自ら選択、決められた日に1回限りの上演をするというもの。課題戯曲には、以前、利賀で受賞した団体(百景社)が別の場所(アトリエ・センティオ)で発表していた作品があった。とても興味深く、自分がやったらどうなるだろう、とワクワクしたものである。

それが課題戯曲になっていたなら、演劇人として、やらないわけにはいかないだろう。
その上、個人的に、去年の手法を比較的用いやすい戯曲だと判断、それを昇華させて発表することで、
自分達の成長を残酷なほどに確かめることが出来ると思ったのだ。

団員:伊藤がロングラン中の公演の朝に課題戯曲を数人分購入してきた。
劇場が新宿にあったので、劇場入りするついでに紀伊国屋書店で調達したようである。

応募書類を取り寄せるための書類を作成して郵便局に持ち込んだのは、
タイニイアリスでの公演(自分らの作品発表)が終わってから打ち上げまでの短い間であった。

急なエントリーだったから稽古場は押さえてないし、そもそも、震災の影響で大打撃を喰った前回の稽古場事情を考えれば、稽古状況がどれくらい過酷なものであるか、始まりもせずに想像がついた。
役者の募集も出来てないのだからなおさらである。というか、審査通過しなかったら……。

まず戯曲を読み、あれこれ妄想を膨らまし、以前購入した、消えるボールペン(摩擦で書き込み消せるのだ!)でひたすら科白を割っていく。数日間の試行錯誤の末、小型電子メモ:ポメラで上演台本化。
やがて、完成した上演台本を読んだり、立ち稽古したりするうちに、科白割りがあれこれ変動していき、演出の最終イメージもあれこれ変動し、作品的には深化していったように思えた。

いつの頃からか、私は、この作品を観た審査員から、去年より成長してないような反応が垣間見えたなら、演劇界から去ろうと考えていた。そのせいか、自分自身、物凄く冷静であった。気持ち悪いくらいにドライだった。もちろんやる気はあった。心の中ではメラメラ、いや、グツグツかもしれない。
ちなみに去年はほとばしっていたと思う(苦笑

さて、前置きはこれくらいにして、
携帯で適当に撮り溜めた写真を使って、せっかくだから、今回の旅を振り返ってみようと思う。

08月18日(木)
この日は稽古しない予定だったが、そうもいかず、急遽この日が最終稽古。それが終わったのが21時半。その後、家に近い者は荷物を取りに、そうでない者や荷物持ってきた者は食事やら銭湯やらへ行って時間を潰していた。伊藤のみ、レンタカー屋へ。既に舞台監督さんもレンタカーをゲットしたようだ。今年は無事2台で済んだ。早めの予約が功を奏した。去年はさらに1台かかって金銭面が悲惨だった。

まあ、とにかく、我が家付近の大通りに23時半頃には2台の車が到着。それなりに大きな車種だったため、家の前につけるのは厳しい。車が来る間に、我が家から公演で使う荷物を数人で大通りに運んでおいたのは正解だった。急遽同行することになった渡辺美帆子事務所の方々とも合流ができ、ほっと一息。

出発直後、
カーナビがなかなか不便なやつで、道を通り過ぎてしまい、遠回りするということがあり、心配になったが、無事、目的地につくことが出来た。
(途中、1台ミスして高速から降りちゃったけどw)
08月19日(金)
右の写真は、どっかのサービス・エリア?
稽古後の深夜運転。がんばれ・東日本! がんばれ・伊藤!
(実は未だに、サービス・エリアとインター・チェンジの違いが分かりませんw)
 
深夜出発し、朝には富山入りしていた。去年利用した恐ろしく狭いうねうね山道でないほうの道があるとのことで、通常より1つ奥のインター?で降り、近くのガストで14人が時間を潰した。ドリンクバー付きモーニングセット最高♪
その後、近くの大型ショッピングモール?で買い出し。
芝居で使うか迷っている小道具やらお夜食となるカップ麺やらお酒やら……。
本部には15時着と連絡しておいたので、まだ時間があり、去年数人が行ったという天竺温泉へ。空いていていい感じでした。私は、髪の毛が膝裏まで伸びてるので、それを乾かすための時間がかかりすぎたり、利用者に女性と勘違いされかねないので、自粛していたのだが、我慢できずに温泉入りましたw
温泉から出て、この後の観劇漬けに向けて少しの時間ではありましたが、まったりお昼寝タイム。
そんな余裕をぶっかましながら、我々は現地入りしたのでした。上の写真はコンクール参加者パス。

本部で挨拶を済ませ、宿舎へ車で移動。
去年と同じ宿舎。目の前にはゲレンデ跡地。そう、今回発表の場となるリフトシアターである。

宿舎の使い方の説明を受け、参加者パスを受け取り、しばし待機後、時間となった。いよいよ、である。
19日(到着日)&20日(仕込み1日目)、合わせて計6作品の観劇。ありがた&忙し&仕込み時間ピンチw

観劇1 17時 紙風船(山口) @利賀山房
コンクール参加者の作品である。去年の評判通り、ハイクオリティーな作品。ストイックな美しい芝居。
うちとジャンルも作品も全然違うけど、自分がこの作品をやったらこんな風に処理できないと思った。
女優さんが超うますぎる。俳優さんもうまかったが、何と言っても、女優さんの虚構化されたしっとりとした存在とドライな演技がやばい。あと、彼女の声が美しかった。よく通る声だし。熟練……って感じ。目を瞑って声だけ聞いてたときもある。顔見てやや残念。顔が酷いのでなく、声が美しすぎるのだ。
途中音楽がかかって、夫婦の寝転がって退屈そうな表現の足の動きのシンクロが面白く、ふと、鈴木作品のシラノの女コロスのナンバーっぽいなぁと思ってしまった。
ただ、最初から紙風船を妻が持ってたのは議論呼ぶんじゃないかな。妻が割って壊すのを現代的な強い女性の意だとしても、新聞紙で風船を作って男が差し出す発想はネタが割れててもいいんだけども。

観劇後、夕食もぐもぐ。そして再び観劇。
観劇地獄ではあるが、金のない私にとってはまたとないありがたい機会である。

観劇2 19時半 シラノ・ド・ベルジュラック @野外劇場
本部で雨合羽を無料配布していたが、大丈夫だろうと根拠のない思い込みで貰わず。
だがさすが現地スタッフ。上演途中から雨。観客はがさごそ雨具を取り出す。私はあきらめw
舞台照明に当たる雨を見て、結構降ってる?と思ったら、客席はそうでもない。
私だけでなく、他の観客もそう思ったらしく、ちらほら至る所で、上を向き、手のひらをかざしている。
その間にも舞台は続行。雨も続行w
雨で足場が悪かろうと、女コロスは次々と独特な動きやポーズを決めていく。本当に素晴らしい。実は、打ち上がる花火よりも私にとってはお目当て。というのも、新国立劇場で観たシラノの印象が強く残っているため、盛大な大量の花火でなく無数の花びらのほうが個人的に好きなのである。ところがどっこい今年は、花火は花火でいいかもしれぬと思ってしまった。エンディングのナイアガラのせいだと思う。
しかし今回残念ながら?、女コロスや花火よりも印象に残ってしまったことがある。
それは、蛾である。でっかい白い蛾が床にぺたんぺたんしてるのである。
こともあろうに奴は、主演俳優の左袖に止まり、じわじわとのぼり、左肩・首後ろを通って右肩へ。しかし彼は科白を続ける。蛾を払うような素振りを一切見せず、微動だにせず。ナウシカのテト(キツネリス)みたいだが、あきらかに手のひら大の蛾w あの状況にうちの出演者が陥ったら……と思うとぞっとした。

終演後、私以外のメンバー全員、帰っていった。
というのも、満席で、既に代表者しか観劇出来ない状況だったのである。

正直な話、次の作品こそ、皆に観てほしかった。

去年、「新・帰ってきた日本」を利賀で観た。
自分らの作品発表を終えて東京へ戻り、しばしして何人かで再び利賀入りしたのである。
伊藤が諸事情で同行せず、激しくがっかりしたのを今でも覚えている。だから彼には特に観せたかった。
率直に言えば、何十年もやり続けている、世界に誇る訓練<スズキ・メソッド>が、他者から見ればどれだけ滑稽であるか、分かってなければとてもじゃないが創れない作品だと思う。究極の異化効果というか。
鈴木忠志という演出家がいかにシタタカなやり手であるか。恐ろしく若いセンス。それでいて古く懐かしい。
勝てない。何をやっても勝てない。
技術も経験も人脈も師匠もないペーペーの演出家志望の当時26歳の男が何を言うかって感じだが。
あのとき、客席の反応を観て、数週間前にこの地で発表した自分らの「コーラス・ガール」を思い出した。
チェーホフ作品のフツーの科白を、コロスが物々しく奇妙な動き(他者にとっては)をしながら発した。
客席からは笑い声が聞こえ、ロシア人観客には「スパシーバ(ロシア語でありがとう)」と言われた。
審査員の指摘を改善できぬまま、利賀での発表1週間後に(渋谷のギャラリー・ルデコで)再演したが、
とてつもない爆笑の渦であった。
その意味が、ようやく分かったのである。
自分がその数週間後、「新・帰ってきた日本」の客席で、他の観客とともに爆笑したことで。

おっと、去年(2010年)の回想はこれくらいにして今年に戻ろう。

観劇3 22時 新々・帰ってきた日本 @岩舞台
相変わらずの雨なので、本部で無料配布してた雨合羽をいただく。
作品は去年に引き続きって感じ。本当にタイトルの一部が同じなだけあって、衣装も同じ。最高(笑
去年のような、動きによる面白さはそれほど感じなかったが、それでも面白い。この面白さは科白の文章とその言い廻しとキャラクターにあるのか? 去年のほうが好きだが、今年のだって充分すぎる。
シュールだった。やっぱり、他者にどう映るか、世界観と調和させながらしっかり遊んでいる気がする。
くそー。稽古が見たくて仕方ない。色々聞きたくて仕方ない。無理だろーけど。
余談だが、舞台美術にちょっと、いや、実を言うとかなり動揺した。舞台中央の提灯にカタカナで『モンロー』と書いてある。今回発表した作品に、モンローの有名な場面を利用した演出があったからである。
演者の動作でさすがだなって思ったのは、看護婦姿のお姉さんと、兄貴w
兄貴は、あの雨の中、高速で軽快に、一段一段高さのある階段を駆け下りた。転倒しないのは、上から床を踏み鳴らす感じで一歩一歩、歩を進めるからだろう。だがあの速さは怖い。ついつい進もうと前へ前へ重心かけたらやばいと思われ。この歩行に(走らないけど)やや近いのは、今回発表した作品の役ではゴールディであろう。稽古場で、能の歩行やその訓練の仕方を意識して、あれこれ指摘していたのだ。死神のイメージがあったしね。
お姉さんは、お酌しに行くときのあの独特の歩行。腰くねくね歩行&ぴたっのループ。あれ、真似できない。難しい。原理が分からない。あの動きだけで、敗北を感じずにはいられない。というのも、今回発表した作品にオカマだかゲイだか分からぬコロス(いかついキューピー)が4人登場するのだが、その動きにそのまま流用できるかのような動きだったのだ。ぐふっ……。
歌謡曲に合わせてその歌詞を発するのは、去年も見たし、自分らも結構前からやっている手法だった。柴幸男がラップを取り入れて有名になる前から、こちらはエセラップではあるが……。チャリT企画の代表さんが、うちのその手法を見て、アングラップってどう?って一方的にネーミングをつけてきたこともある。

終演後、ボルカノで、この日観たコンクール作品についての、審査員の講評を(勉強になるし)盗み聞こうと思いもしたが、単身で乗り込む勇気もなければ、観たばかりの「新々・帰ってきた日本」で思ったことを参考になるだろう役者に伝えようと、迎えの車を呼ばず、徒歩で宿舎へ戻った。
車だとあっという間だが、歩きだと意外とかかる。真っ暗なのに、懐中電灯持たずに気合で歩いて、無事辿り着くことに成功した。
左はその際に撮った看板。ファイル名を見るに、23時19分54秒撮影のようだ。
 

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昨日、口立てした婦人の台詞部分から、再び音楽挿入。
その音楽の編集を終え、その出来栄えに満足し、稽古場へ。

まず音楽を数回聴いてもらう。
現状考えている大まかな演出イメージを口頭で伝える。

その後、各自ばらばらに。

演出助手が板についてきた伊藤の前で、復習をしている女役の近原。

コロスも三人でしっかり話し合い、
先ほどの音楽に対応する動きを構想中。
その部分の動きのイメージがほぼ私と一致し、ちょっと嬉しかったぜ。

そして私ラディーは、婦人役の中山を見る。
昨日の部分の音に対応する動きを念入りに。
きっと面白くなるだろう。
しっかり習得し、自分なりに正当化し、
消化し、昇華させることが出来たなら、の話。
また、そこだけ良くても仕方ないので、
これまでの部分もこれからの部分も気を抜かずに頑張って欲しい。

最後に、
稽古終了間際であったが、婦人の動きに支障がないかのチェック。

婦人に一瞬で詰め寄られる女のリアクションがなかなか様になっていた。
コロスなどのミザンスも決められ、もうすぐ5ページが終わりそう。

しかし、そのためには、5ページ最後のほうにある、あの部分を完成させねばならない。
コロスファイト!!!

それはそうと、とうとう、明日から2週間しか稽古出来ない。巻き返すぞ。

P.S.
5ページ目、1/3は完了と言っていい。さらに1/3はまあ完了。
<曲編集できた=イメージが湧いてた>となるから当たり前か……うむ、今日は勝った気がする。
やはり目に見えないモノをあえて誇張して表出することで、普遍的なモノを神話・民話(寓話)化させる、というのがうちの芝居なのかも。

演劇死神

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