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これは、劇団ING進行形の怒涛の稽古記録である。
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早速始めるも……冒頭のシーン数行で一回止めることに……。
「情感皆無。本当に酷い。もっと男を愛してくれ。パーシャとして。君の好みの女の子像をやられても困る」

リズムを気にして、ただこなしているだけに思えたのだ。気になった数ヶ所を念のため確認する。

「サブテキストは? 何考えてる? 感情は? なぜそのように動くのか、を聞いてるんだ」

最初はしどろもどろであったが、結果的には、望んだ答えが返って来たのでほっとした。

「そう、<演出に言われたから>じゃ話にならないし、動きの説明をされても、そんなこたぁ分かってる。君だけしか知らない、君が彼女と向かい合い、その彼女を理解しようとして考えてきたことが知りたいんだ」

少々のディスカッション後、もう一度……

「ほら、良くなった。最初にやったのと大違い。さっきの不甲斐無い演技、今の君に見せてやりたいよ」

とはいえ、今日の目的はそこではなく、次の部分であった。
婦人が登場してからのシーン。

【婦人】自分の夫の名前を言う部分。その所作を少々つけた。

うまーくモノにしてくれることを願っている。何にせよ、内面とやらをしっかり意識してほしい。
でないと、ただ型をやっているだけになってしまうのだから。

【女】
転がり逃げる部分。ほんと近原、うまくなったなぁとついつい感心。苦手だった動き、それを彼は習得していた。もっと初動を早く、との要望にも動きを一工夫して応えてくれたのを私は知っている。

そのシーンの反復を終え、とうとうコロスの出番!
恒例となりつつある。というよりもはや、古典シリーズの肝である。

かるーい動線のみ提示し、後は任せることにした。
1分間がどんなものなのか。思ったより短いのか、それとも長いのか。
吉田・遠藤には、身体で感じて欲しかった。
私としても飽きるか否か、間が持つか否か、見定めたかったのである。

なぜ1分なのか……それには理由がある。
実は、原作にそのような記述があるのだ!

1分間ほど沈黙に過ぎる。

それを忠実にやろうとしているのである。ふふふ……。

台本1枚が、もうすぐ終わろうとしている。
しかし、のんびりしてはいられないようである。
計8枚の台本、出来るだけ早く、触れ、全貌を見なくては……。

by 演劇死神


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