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これは、劇団ING進行形の怒涛の稽古記録である。
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第17回 BeSeTo演劇祭
「羯諦羯諦―行く者よ、去り行く者よ」
 
仏典に節をつけて儀礼の時に唱われるインドに源流をもつ声明。
謡曲、浄瑠璃、民謡の故郷としての声明。
二千年にも及ぶ時間を生き続け、人々の身体の中に記憶されている原音が、
今甦り、現代楽器と呼応し、人々を新しい時空に誘う。

新国立劇場:中劇場 最寄:初台駅 午後3時開演 上演時間:60分

ほんとは2日の予定だったが、席の関係で3日になった。
その結果、オープニングセレモニーの場に居ることが出来なくて残念だった。
しかし、稽古をオフにして、行っておいて良かったと思っている。

      

もう、誰が見ても、鈴木さんの色は分かりますな。さすがっす。
ほんと、なんていうか、車椅子に看護婦……世界は病院……。
美しい色彩、静なる舞台。聖なる場。そんな感じだった。

腰の位置が変わらぬ、独特な歩行(ムーブメント)。
均一な、連続性。シンクロ。

宇宙人のようなお坊さんから紡がれる祝詞……というかお経。
あと、何と言っても、生音、やはりいい。
か細くて高い音から、太く重い音へ徐々にシフトしていく。
それと同時に、劇空間の密度・重力・静寂さの純度が高まっていく。

ずっとループしているかのように見えて実は、
悠久なる時・歴史全体から見れば、人々はゆっくりと、確かに経過していく。

美も醜も全てひっくるめて人間であり、美しいものがやがて崩れ果て、残され、風化していく感じというか……。そうね、奇形性にも及んでくる問題かも。
風の谷のナウシカの漫画版でいうなら「もはや人間は瘴気とともに生きており、昔のような瘴気なしのクリーンな世界では生きていくことが出来ない身体になっていた」的な感じでもあるかも。
 
観て、良かった。

rady.jpg昔から、
目標だった利賀の、独特な色を持つ演劇人に少しでも近付きたかった。
人脈も知識も何もない状況だった自分が、新国立に招待で入れるなんて。

とにかくそこには、最近流行の、まるで病のように蔓延している、等身大(我が身周辺数センチ)なるものとは真逆のものがあった。しかし、それこそ、人類の、等身大だと、私は思っていたりします。
by 演劇死神
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